中国語の基本構造である、動詞述語文「S +V 構文、S +V +O 構文」は中国語で会話を進めていくのに基本となるので、先ずはしっかりとココを覚えましょう。詳しくは下記リンクにて。
今回はこの基本語順に他の成分を付け加えて拡大することで、より豊かで複雑な表現にする方法を勉強していきます。
イメージとしては、下記構成図のような感じです。
基本構造である、「主語」「述語」「目的語」の前にそれぞれ「限定語」「状況語」と見慣れぬものが置かれてますね。実はこれらが加わることでより豊かな中国語表現を作ることができるんです。
今回はその中でも「限定語」に関して説明します。
(日本の留学生はロンドンでイギリス式の英語を勉強します)
基本構造だと、「留学生学习中文(留学生は英語を勉強します)」。これに、色々な言葉がくっついてより豊かで具体的な表現が作れてます。
日本の留学生は → 限定語:日本の + 中心語(主語):留学生
イギリス式の英語 → 限定語:イギリス式の + 中心語(目的語):英語
※このように限定語は通常、中心語と呼ばれる「主語」「目的語」の前に置きます。
目次
限定語の役割
限定語の役割は、主語・目的語の前に置かれ、性質・状態・所有・数量などを更に詳しく説明することです。
上の例文では、主語である「留学生」の前に「日本的」が入ることで、より詳しい留学生の性質が説明されてますよね!この「日本的」が限定語にあたります。
その成分は主に下記のようになっています。
- 形容詞:新鲜的空气/ 新鮮な空気
- 人称代名詞:我的书/ 私の本
- 名詞:老师的办公室/ 先生のオフィス
- 数量詞:三个人/ 3人
- 動目フレーズ:喜欢运动的我/ 運動が好きな私
- 前置詞フレーズ:从中国来的留学生/ 中国から来た留学生
- 主述フレーズ:身材高的人/ 体が大きい人
限定語はこのように主に7項目に分かれます。上の赤い文字部分が限定語の具体例となっているのが分かりますか?後ろに来ている中心語を更に詳しく・複雑に・分かりやすく説明してくれてますよね。
形容詞や人称代名詞など限定語の成分である7項目の内訳なんて覚えなくていいです。
中国語の基本構造「主語」「述語」「目的語」において、主語と目的語をより詳しく説明するのが「限定語」であると言うことを先ずはインプットしてみて下さい。そして限定語は中心語の前に置かれます。
あともう一つ!
限定語と中心語の間には助詞「的」が基本的には必要です。
・中心語の前に置く。
・限定語と中心語の間には「的」が基本は必要。(限定語+的+中心語)
助詞「的」の省略と使用について
上で説明したように、限定語と中心語の間には基本は助詞「的」が必要です。一方で、省略されるケースもあるため、どのような時に「的」が必要なのか?どのような時は「的」は省略okなのかを見ていきましょう。
「的」が省略できる場合
1.限定語と中心語の関係性が非常に近しい場合
限定語が名詞であり、その名詞と中心語が緊密に結びついていて、すでに1つの名詞になっている場合は「的」の省略ok
- 汉语词典/ 中国の辞書
- 美国留学生/ アメリカの留学生
- 海外旅游/ 海外旅行
- 中国朋友/ 中国人の友達
また、限定語が人称代名詞(私、彼、彼女など)であり、後の名詞が人称代名詞の親、家族、親友、所属団体である場合も「的」の省略ok
- 我妈/ 私の母
- 我亲戚/ 私の親戚
- 我们公司/ 私たちの会社
- 他哥哥/ 彼の兄
- 你朋友/ あなたの友達
2.限定語が単音節(1文字)の形容詞である場合
- 蓝天/ 青い空
- 旧书/ 古い本
- 好人/ 良い人
3.数量詞が限定語になる場合
- 三个人/ 3人
- 一杯酒/ 1杯の酒
- 四瓶水/ 4本の水
※数量詞が来る場合、「的」は不要ですが、量詞(个、杯、瓶など)が必要です!
4.指示代名詞が限定語になる場合
- 这个人/ この人
- 那件衣服/ あの服
- 那个人/ あの人
「的」が必要な場合
逆に「的」が必要な場合です。省略できる場合の1、2と混同しやすいパターンもあるので、しっかりと区別できるよう、インプットしておきましょう。
1.単音節形容詞の前に程度副詞がある場合
- 旧书 → “非常”旧的书 とても古い本
- 好人 → “很”好的人 とても良い人
単音節の形容詞だけであったら、「的」は省略けーおつなのですが、その前に“非常”(とても)などの程度を表す副詞が来ると、「的」が必要となります。
2.2音節以上の形容詞が限定語となる場合
- 白云 → 雪白的云 → 雪白雪白的云
白い雲 真っ白な雲 とても真っ白な雲 - 漂亮的老板→ 綺麗な社長
- 善良的人→ 善良な人
3.二重所属関係を表す時、最後の限定語と中心語の間に「的」は必要
- 你老婆的公司/ 奥さんの会社 X 你老婆公司
- 你老婆公司的同事/ 奥さんの会社の同僚 X 你老婆公司同事
- 你朋友的家/ 友達の家 X 你朋友家
- 日本富士山的空气/ 日本の富士山の空気 X 日本富士山空气
これらのように限定語が二重所属関係を表す時、最後のつなぎとして「的」が必要となります。
4.主述フレーズが限定語となる場合
- 我买的书/ 私が買った本
- 我做的计划/ 私が作った計画
我买のように、「主語+述語」フレーズが来た際、「的」が無いと、我买书(私は本を買う)と言う文が作られてしまい、全体も全く異なった意味合いになってしまいます。主述フレーズが前に来た際は「的」が必要です!
5.動目フレーズが限定語となる場合
- 学中文的日本人/ 中国語を勉強する日本人
- 喜欢读书的朋友/ 本を読むのが好きな友達
「動詞+目的語」フレーズが来た際も、後ろの中心語とつなぐのに「的」が必要となります。
6.場所名詞や方位詞が限定語となる場合
- 东边的商店/ 東の店
- 日本的富士山/ 日本の富士山
7.名量詞(重さ・長さ・面積・容積を表す名詞)が限定語となる場合
- 两公斤的西瓜/ 2キロのスイカ
- 500毫升的矿泉水/ 500mlのミネラルウォーター
数量詞(1個、2個など)が来るときは「的」は不要ですが、重さや長さ広さを表すような言葉が来る時は「的」が必要となります。
まとめ
より表現豊かで複雑な中国語表現を作るのに必要な「限定語」の役割、使い方は理解していただけましたか?もう一度ポイントのおさらい。
・中心語の前に置く。
・限定語と中心語の間には「的」が基本は必要。(限定語+的+中心語)
・「的」を使う使わないの違いは必ずしも覚えなくて良い
最後に、「的」を使う使わないの違いは必ずしも覚えなくて良いを追加しました。「的」の有無が間違っていたとしても意味は通じるので、そんなに気にしないで下さい!(最初からできるに越したことはないですが)
先ずは、限定語は話しの骨格となる中心語「主語」「目的語」の前において、より豊かで複雑な言葉を作る!と言う点を覚えたならそれでokです。自分なりにより複雑な文を作って実践してみて下さい。
あとは必要に応じて「的」の有無を振り返りながら、覚えていく方が効率的です。
くれぐれもインプット中心の勉強とならないよう、アウトプットを繰り返しながら中国語の基本構造とその拡大式の使い方を自分なりに染み込ませるようにして下さい。
それではまた
再见!
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